キャンプなんて何が楽しいんだろう、と思っていた。
子供の頃学校行事で行ったキャンプは、
不便で汚い炊事場とトイレに辟易とし、
布切れ一枚の中で寝袋に体をねじ込んで無理やり眠り、
さして美味しくないカレーを寒いなか食べて、
どっと疲れて帰るだけ。
不便で汚い炊事場とトイレに辟易とし、
布切れ一枚の中で寝袋に体をねじ込んで無理やり眠り、
さして美味しくないカレーを寒いなか食べて、
どっと疲れて帰るだけ。
自然とふれあい、豊かな時間を過ごすキャンプなんて、
ムーミン谷にしか無いと思っていた。
ムーミン谷にしか無いと思っていた。
2015年5月23日
カンパーニャ嬬恋キャンプ場
そんな不安を心の隅に置いたまま、
夫婦二人でこの場所にやってきた。
夫婦二人でこの場所にやってきた。
我が家の心をキャンプに惹き付けたのは、この漫画。
あずま きよひこ
アスキー・メディアワークス (2013-03-09)
売り上げランキング: 1,806
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主人公よつばと仲間達が楽しげにキャンプしている様は、
スナフキンのスローライフより現実味を持って胸に響いてくる。
スナフキンのスローライフより現実味を持って胸に響いてくる。
もしかしてキャンプって楽しいんじゃないのか?
焚き火を眺めてのんびりしたら。
炭火で焼いたお肉を頬張ったら。
自然の中で朝を迎えたら…。
焚き火を眺めてのんびりしたら。
炭火で焼いたお肉を頬張ったら。
自然の中で朝を迎えたら…。
やってみなけりゃ分かるまい。
道具は全部レンタル品でいい。
とにかく一回行ってみよう。
道具は全部レンタル品でいい。
とにかく一回行ってみよう。
テントとタープ、初めてにしてはうまく張れたと思う。
実はここ、よつばと!キャンプ回のモデルになったキャンプ場…らしい。
確かにこの景色、見覚えがある気がする。
確かにこの景色、見覚えがある気がする。
この日は普通の土日。
草原サイトは4割、林間サイトは2割ぐらいの入りで、静かに過ごせた。
草原サイトは4割、林間サイトは2割ぐらいの入りで、静かに過ごせた。
キャンプ場から見えるバラギ湖の周りは、散策路になっている。
白樺の木に囲まれた静かな散策路。
聞こえてくるのは小川のせせらぎと、熊避けのラジオの音。
(年に数回、ほんとに熊が出るらしい)
聞こえてくるのは小川のせせらぎと、熊避けのラジオの音。
(年に数回、ほんとに熊が出るらしい)
清々しい気分になれる良い散策路だけど、いかんせん一周が長い。
ぐるっと一回りしたら良い時間になってしまった。
ぐるっと一回りしたら良い時間になってしまった。
サイトに帰り、ガスランタンに灯りをつける。
いい雰囲気じゃないの。
いや、見とれている場合ではない。
暗くなる前に夕飯の準備をしなければ。
今日の夕飯は、手作りベーコンと、和牛のバーベキュー。
和牛は気合をいれて3000円分も買ってきてしまった。
ベーコンは乾燥まで仕込んできているので、あとはいぶすだけ。
和牛は気合をいれて3000円分も買ってきてしまった。
ベーコンは乾燥まで仕込んできているので、あとはいぶすだけ。
ベーコンを燻製し、ごはんを炊いて、炭を起こし、あとはお肉を焼くだけとなった時、事件は起こった。
保冷剤不足で肉が暖まり、
3000円の和牛が全部腐っていたのである。
3000円の和牛が全部腐っていたのである。
パックを開いた瞬間の異臭に、夫婦で呆然となった。
そして事態を理解すると、底知れない哀しみに襲われた。
そして事態を理解すると、底知れない哀しみに襲われた。
炭火で焼いたお肉を、どれだけ楽しみにしていたことか。
どの肉を買うかで、お肉やさんでケンケンガクガクした思い出が、走馬灯のように脳裏に走る。
どの肉を買うかで、お肉やさんでケンケンガクガクした思い出が、走馬灯のように脳裏に走る。
もうやけくそだ。
ブロックベーコンをありったけ焼きまくり、それとほんの少しのお野菜でお腹を満たす。
手作りベーコンは初挑戦だったが、味をほとんど覚えていない。
獣のように、がつがつとめしを喰らった。
ブロックベーコンをありったけ焼きまくり、それとほんの少しのお野菜でお腹を満たす。
手作りベーコンは初挑戦だったが、味をほとんど覚えていない。
獣のように、がつがつとめしを喰らった。
食べ終わり、焚き火に火をつける。
焚き火は初めてだったけど、着火材で案外簡単に火がついた。
熾火になると想像以上の熱量だ。
日が落ちて冬のような寒さだったので、体が暖まりありがたい。
熾火になると想像以上の熱量だ。
日が落ちて冬のような寒さだったので、体が暖まりありがたい。
ビールをちびちび飲みながら、マグマみたいにきらめく熾火を眺める。
頭上では白い花が揺れている。
時々木がはぜて、火の粉が闇に舞う。
頭上では白い花が揺れている。
時々木がはぜて、火の粉が闇に舞う。
なんて贅沢な時間なんだろう。
しみじみ、そう思った。
しみじみ、そう思った。
焚き火が燃え尽きたところで、歯磨きして就寝。
水が冷たくて、凍えるかと思った。
水が冷たくて、凍えるかと思った。
翌朝。
からだの痛みで目をさました。
寝袋というのはもっとフカフカしてるものだと思ってたけど、案外ぺらぺら。
これと銀マットだけでは快眠できなかった。
我々夫婦が軟弱なのか?寝袋が悪いのか?
いずれにしろ、マットを導入する必要がある。
からだの痛みで目をさました。
寝袋というのはもっとフカフカしてるものだと思ってたけど、案外ぺらぺら。
これと銀マットだけでは快眠できなかった。
我々夫婦が軟弱なのか?寝袋が悪いのか?
いずれにしろ、マットを導入する必要がある。
寝不足に、朝の光がまぶしい。
昨日やけくそになって朝ごはんの分のベーコンを食べてしまったので、食べるものがない。
コーヒーとリッツ、おざなりなコンソメスープを朝ごはんということにして、撤収することにした。
コーヒーとリッツ、おざなりなコンソメスープを朝ごはんということにして、撤収することにした。
午前10時。
レンタル用品を帰して、帰路につく。
レンタル用品を帰して、帰路につく。
すっからかんのキャベツ畑を眺めながら、昨日今日のことを思い返した。
結局、キャンプは楽しいものだったのか?
肉は腐らせるし、
体は痛いし、
寝不足だし、
水は冷たかったし、
5月なのにダウンがいるほど寒かった。
体は痛いし、
寝不足だし、
水は冷たかったし、
5月なのにダウンがいるほど寒かった。
自然の中で、
楽しいこともたくさんあった。
うーん。
答えはまだ、保留かな。
答えはまだ、保留かな。
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